日本の暦について 2

次は十干十二支(じっかんじゅうにし)のお話です。

 

十干の誕生は、中国の殷の時代(歴史の好きな人は良く聞く時代ですね)と言われています。

 

人はまず数える道具として両手の指を使いました。

そして10という単位が出来ました。

 

(暦の上では、10の単位を旬と言います。1ヵ月を30日として、上、中、下の3つに区切りますと、現在でも使われている、上旬、中旬、下旬となります。)

 

そして、この10という単位に、古代中国から伝わる思想で、陰と陽の相反する原理から宇宙が成立するという『陰陽説』(食でいうと、暖かな太陽に伸びる葉や竹の子などは、体を冷やす陰の効果、冷たい土の中に伸びる牛蒡や大根は、体を温める陽の効果…の様に、相反する働き)

 

自然は、木、火、土、金、水の5大要素によって形成される『五行説』(食でいうと、「木」は春と酸味、「火」は夏と苦み、「土」は梅雨と甘味、「金」は秋と辛味、「水」は冬と塩味…など、和食でいうと、五味、五色、五法なんて言葉を聞くこともありますね)

 

この、『陰陽説』と『五行説』を組み合わせて出来たのが、十干です。

 

甲=木の兄(きのえ)   

乙=木の弟(きのと)

 

丙=火の兄(ひのえ)  

 丁=火の弟(ひのと)

 

戊=土の兄(つちのえ) 

 己=土の弟(つちのと)

 

庚=金の兄(かのえ)  

 辛=金の弟(かのと)

 

壬=水の兄(みずのえ) 

 癸=水の弟(みずのと)

 

元来、兄弟(えと)とは、十干の方です。

 

そして、現在、干支として、良く知っている、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の十二支と、合わせて60進法暦が出来ました。

十二支は、時間の単位としてよく時代劇とかにも出てきますよね。(草木も眠る丑三つ時、丑の刻など)

 

暦が一巡するとして、数えの61歳になると、還暦として祝うのも、こういうわけです。

 

陰陽五行説の中でも、色、季節、方角、四神など、特に和食の行事、献立などと深くかかわっているようです。